- ベストアルバム投票
- JUDAS PRIEST アルバムディスコグラフィ
- Rocka Rolla
- Sad Wings of Destiny(運命の翼)
- Sin After Sin(背信の門)
- Stained Class
- Killing Machine(殺人機械)
- British Steel
- Point of Entry(黄金のスペクトル)
- Screaming for Vengeance(復讐の叫び)
- Defenders of the Faith(背徳の掟)
- Turbo
- Ram It Down
- Painkiller
- Jugulator
- Demolition
- Angel of Retribution
- Nostradamus
- Redeemer of Souls(贖罪の化身)
- Firepower
- Invincible Shield
ベストアルバム投票
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JUDAS PRIEST アルバムディスコグラフィ
Rocka Rolla
1974年リリースのデビューアルバム。
既にロブ・ハルフォードがヴォーカルを担当していますが、楽曲の中には前任ヴォーカルのアル・アトキンスが関わった曲もあります。
大抵の人は後作からの後追い、コレクション的に本作を手にするのでしょうが、個人的には可もなく不可もなくといった印象です。
1960~1970年代のハードロックを聴きなれている人には刺さるのでしょうが…。
1980年代以降、ヘヴィメタル化した後のJUDAS PRIESTから入った人が迂闊に手を出すと大火傷するかも知れませんね。
JUDAS PRIESTの名を伏せて聴かされたらスルーしちゃう感じでしょうか。
BLACK SABBATH を手掛けたロジャー・ベインがプロデューサーなのでどんよりとした音像には頷けます。
ロブ・ハルフォードの独特の歌唱も既にその片鱗を見せつけていますね。
収録曲
- One for the Road – 4:36
- Rocka Rolla – 3:04
- Winter – 3:02
- Deep Freeze – 1:56
- Winter Retreat – 1:31
- Cheater – 2:55
- Never Satisfied – 4:49
- Run of the Mill – 8:33
- Dying to Meet You – 6:18
- Caviar and Meths – 2:04
Sad Wings of Destiny(運命の翼)
1976年リリースの2枚目。
デビュー作に比べれば初期 JUDAS PRIEST の骨格がしっかりと体感できる音像で渋いハードロックが展開されていますね。
プログレッシブ感も強く、楽曲展開もドラマティックで物語性十分で聴き応えがあるアルバムに仕上がってます。
ロブ・ハルフォードのヴォーカルも抑揚豊かにハイトーンを巧みに差し込みながら深みのある歌唱を聴かせてくれています。
ギターソロも種々のエフェクトが工夫され、うねるようなねちっこさを伴いながら楽曲を盛り上げています。
後にリリースされるライブ盤では本作からの演奏楽曲も多く、よりムーディでブラッシュアップされた進化ヴァージョンとして聴き比べながら堪能することが出来ますね。
収録曲
- Victim of Changes (生け贄) – 7:53
- The Ripper (切り裂きジャック) – 2:49
- Dreamer Deceiver (夢想家 I) – 5:53
- Deceiver(裏切り者の歌 (夢想家 II) ) – 2:44
- Prelude (プレリュード) – 2:02
- Tyrant (独裁者) – 4:26
- Genocide(虐殺)- 5:46
- Epitaph (墓碑銘 (エピタフ) ) – 3:20
- Island of Domination(暴虐の島)- 4:32
Sin After Sin(背信の門)
1977年リリースの3枚目。
後のライブでも必須演奏曲となる名曲がズラリと揃った初期の大傑作!。
オープニングの「Sinner」を始め、JUDAS PRIEST のアイコン的な楽曲が怒涛の如く登場してきます。
中でも個人的に断トツお気に入りはアメリカのフォークシンガー Joan Baez の楽曲をカバーした「Diamonds & Rust」。
オリジナルの哀愁メロディを凄まじいまでにドラマティックなハードロックに昇華させた JUDAS PRIEST のセンスに敬服せずにはいられません。
ロンドンの墓地の霊廟が描かれたジャケットデザインもさることながら、誰が付けたか「背信の門」の邦題。
まさに完璧な品位と格調を合わせ持った名盤中の名盤と言えるでしょう。
収録曲
- Sinner (罪業人) – 6:42
- Diamonds & Rust (ダイヤモンズ・アンド・ラスト) – 3:23
- Starbreaker(スターブレイカー)- 4:49
- Last Rose of Summer (最後の夏のバラ) – 5:36
- Let us Prey/Call For The Priest(危害者)- 6:12
- Raw Deal (不当なる弾圧) – 5:59
- Here Come the Tears (孤立の涙) – 4:36
- Dissident Aggressor(異端からの反撃)- 3:06
Stained Class
1978年リリースの4枚目。
後の作品で爆発する疾走チューンの地下マグマ的な楽曲「Exciter」で幕を開ける躍動のアルバム。
静と動を目まぐるしく行き来しながらバンドのパワーと才能があふれ出してきますね。
人事の不安定だったドラムパートにレス・ビンクスが正式加入。
バンドとしての重心が定まり楽曲の安定感も増した印象です。
バンドのロゴも本作から現在のものに固定されましたね。
とかくハイトーンが取りざたされるロブ・ハルフォードの歌唱ですが。
個人的にはミドル~スローな落ち着いた楽曲で聴くことのできる哀愁と艶めかしさを醸し出す歌唱に魅力を感じます。
収録曲
- Exciter – 5:33
- White Heat, Red Hot – 4:19
- Better By You, Better Than Me – 3:23
- Stained Class – 5:18
- Invader – 4:10
- Saints in Hell – 5:28
- Savage – 3:28
- Beyond the Realms of Death – 6:51
- Heroes End – 4:59
Killing Machine(殺人機械)
1978年リリースの5枚目。
ジャケットの通りレザーで身を固め始め、バンドがヘヴィメタルへの進化を模索し始めていることが窺い知れるアルバム。
「Hell Bent for Leather」「Running Wild」などサウンドとスピード次第でいつでもヘヴィメタル楽曲へと変貌可能な楽曲が収録されています。
しかしながら音像はまだまだハードロック然としており、スピード感も控えめなゴールド免許の安全運転。
メタルゴッドの黄門様と御付きのツインギター助さん角さんが秘めるポテンシャルもまだまだ封印されたまま。
印籠は懐の中にしまったままです。
そりゃぁ、まだ1978年ですからね。
F1ドライバーだって都内の公道では安全運転です。
そして個人的MAXお気に入り楽曲はやはり Fleetwood Mac のカバー曲「The Green Manalishi」。
哀愁のイントロ~ギターソロ、ロブ・ハルフォードの中低音域での歌唱が堪りましぇ~ん。
収録曲
- Delivering the Goods – 4:16
- Rock Forever – 3:19
- Evening Star – 4:06
- Hell Bent for Leather – 2:40
- Take on the World – 3:01
- Burnin’ Up – 4:06
- The Green Manalishi – 3:22
- Killing Machine – 3:01
- Running Wild – 2:57
- Before the Dawn – 3:23
- Evil Fantasies – 4:13
British Steel
1980年リリースの6枚目。
ドラムスがデイヴ・ホーランドに交代。
オープニングからタイトなドラミングを披露していますね。
バンドアンセム的楽曲「Breaking the Law」に代表される「シンプルに繰り返されるリフと歌メロによるコンパクトな楽曲」を多く収録。
ジャケットデザインと関連させ「カミソリのような切れ味のリフが…」とかのレビューをよく見かけますが…。
既に1980年代に突入したタイミングでの作品としてはやや捻り不足な印象。
敢えてマーケットを意識した戦略であるならば狙い通りに一定の成功を収めたアルバムですね。
個人的には哀愁を帯びたドラマティック性、楽曲の構築美といった面で物足りなさを感じてしまうのが正直な印象。
ギターソロが奮闘してフックを持たせている曲もあるだけに、もう少しダイナミックな展開が欲しかったという贅沢な望みです。
こればかりは最早個人の好みの問題であり、忖度無しの正直レビューをモットーとしておりますので容赦を…。
ついでに言ってしまえば一般的にウケの良い後作リリースの代表曲「PAINKILLER」についても正直同様の印象を持ってます…。
収録曲
-
- Rapid Fire – 4:07
- Metal Gods – 3:58
- Breaking the Law – 2:34
- Grinder – 3:58
- United – 3:35
- You Don’t Have to Be Old to Be Wise – 5:04
- Living After Midnight – 3:31
- The Rage – 4:44
- Steeler – 4:30
Point of Entry(黄金のスペクトル)
1981年リリースの7枚目。
前作に続きアメリカのマーケットを意識した楽曲が多いとされる賛否両論分かれるアルバムですね。
既にシーンではLAメタルの足音がヒタヒタと忍び寄っていた時期ですから、至極真っ当なアプローチで納得もできます。
剛柔入り混じってやや中途半端な印象だった前作に比べれば、ジャケットデザインから思い切り方向性を統一させた感がありますね。
余計な考察や深読みが不要なある意味解りやすくて好きな作品です。
それにしてもスピードに乗り切れない「Heading Out to the Highway」に象徴されるように、「Exciter」の頃の馬力と勢いは何処へ行ってしまったのか…。
もしも JUDAS PRIEST がこの路線でこのまま突き進んでいたならば、現在のように神格化されることは先ず無いでしょうし、バンド自体も存続しているか微妙な感じがします。
収録曲
- Heading Out to the Highway – 3:46
- Don’t Go – 3:18
- Hot Rockin’ – 3:16
- Turning Circles – 3:41
- Desert Plains – 4:35
- Solar Angels – 4:03
- You Say Yes – 3:29
- All the Way – 3:42
- Troubleshooter – 4:00
- On the Run – 3:44
Screaming for Vengeance(復讐の叫び)
1982年リリースの8枚目。
言わずもがなのヘヴィメタル史上永遠に聴き継がれていくことでしょう大名盤ですね。
オープニングからの息もつかせぬ怒涛の3曲は、もはやヘヴィメタルを明確に定義付けしたかのような完璧な様式美です。
前作までの方向性を面舵一杯に振り切った英断がお見事。
結局のところ愚直に王道を極めることが成功への最短の近道であることを教えてくれてます。
時系列で言えば、既に IRON MAIDEN の3枚目アルバム「The Number of the Beast(邦題:魔力の刻印)」のリリースタイミング。
前作までのようにアメリカ市場にわき目を振っていた JUDAS PRIEST を強烈な往復ビンタで目覚めさせたのは IRON MAIDEN かも知れませんね。
そしてオープニングのみならず、本来の持ち味である哀愁を帯びたドラマティックな展開を聴かせる「 (Take These) Chains」「Fever」などの楽曲も痺れます。
収録曲
- The Hellion – 0:42
- Electric Eye – 3:38
- Riding on the Wind – 3:09
- Bloodstone – 3:50
- (Take These) Chains – 3:04
- Pain and Pleasure – 4:13
- Screaming for Vengeance – 4:43
- You’ve Got Another Thing Comin’ – 5:09
- Fever – 5:20
- Devil’s Child – 4:46
Defenders of the Faith(背徳の掟)
1984年リリースの9枚目アルバム。
前作で覚醒した鋼鉄神の完成形の作品ですね。
最早何をかいわんやって感じのお手上げ状態。
まさに水を得た魚状態のロブ・ハルフォードのスクリーミングと深みを増した歌唱。
そして特筆すべきは「全部出し切りました」と言わんばかりの2人のギターの競演ですね。
骨までぶった切る出刃包丁のような鋭いリフ。
涙無くしては聴けない泣きメロ満載のギターソロフレーズ。
惜しげもなく繰り出されるヘヴィメタル史上屈指の名曲の数々。
そのクライマックスとして満を持して登場する「The Sentinel」。
武者震いを止められなくなるこのドラマティック性。
あまりにもスリリングな5分2秒のシリアスドラマ「死の番人」ですね。
ヘヴィメタルを愛聴してきた自分を自分で誉めてあげたい衝動にかられ、身体の芯から悦びを感じる瞬間です。
鋼鉄神 JUDAS PRIEST が打ち建てたヘヴィメタル史上最高峰の金字塔と言える超名盤!。
収録曲
- Freewheel Burning – 4:24
- Jawbreaker – 3:26
- Rock Hard Ride Free – 5:33
- The Sentinel – 5:02
- Love Bites – 4:47
- Eat Me Alive – 3:35
- Some Heads Are Gonna Roll – 4:07
- Night Comes Down – 4:00
- Heavy Duty – 2:25
- Defenders of the Faith – 1:26
Turbo
1986年リリースの10枚目アルバム。
シンセギターの導入うんぬんで物議を醸した作品ですね。
折しも同年リリースの IRON MAIDEN の6枚目アルバム「Somewhere in Time」でもシンセギターは上手いこと採用されており枝葉の要素でしかない印象。
「Somewhere ~」のように本質的な中身の楽曲が充実していれば評価が得られることを考えれば、評価の物差しはあくまで楽曲の出来映えであるべき。
神懸かっていた前作「背徳の掟」の後作として基準(バー)が上がってしまっている状態にも係わらず、良い楽曲が揃っていると素直に評価したいところです。
ややモダンに振りつつも JUDAS PRIEST の持つ世界観は確実に踏襲。
敢えて言うならばあまりにスマート過ぎる音像でダイナミック感が失われてしまったことでしょうか。
ヘヴィメタルが本来持っているはずの雑味的要素がメロディ、歌唱、演奏にもう少し残っていればまた異なる評価となっていたかも知れませんね。
収録曲
- Turbo Lover – 5:32
- Locked in – 4:19
- Private Property – 4:29
- Parental Guidance – 3:26
- Rock You All Around the World – 3:36
- Out in the Cold – 6:27
- Wild Nights, Hot & Crazy Days – 4:39
- Hot for Love – 4:11
- Reckless – 4:18
Ram It Down
1988年リリースの11枚目アルバム。
マーケットから不評を喰らった前作「Turbo」から一転、再び王道を歩み始めた力作ですね。
やっぱり JUDAS PRIEST はこうでないとと胸を撫で下して安堵したファンの一人が私です。
本来、クリエイティブな才能を持つアーティストが持つ新たな挑戦意欲、アイデアから生み出される作品に期待しているのがファンの筈なのですが。
人間はなかなか成功体験から抜け切れず、現状維持を良しとする生き物だけに、露骨な方向転換には戸惑ってしまうんですかね。
前作で置いてけぼりを喰らった感のあるファンに必死に手を差し伸べようと、曲名にストレートな単語を用いているのがちょっと笑えます。
収録曲
- RAM IT DOWN – 4:49
- HEAVY METAL – 5:58
- LOVE ZONE – 3:58
- COME AND GET IT – 4:07
- HARD AS IRON – 4:08
- BLOOD RED SKIES – 7:50
- I’M A ROCKER – 3:58
- JOHNNY B. GOODE – 4:39
- LOVE YOU TO DEATH – 4:36
- MONSTERS OF ROCK – 5:31
Painkiller
1990年リリースの12枚目アルバム。
ドラムスのデイヴ・ホーランドが脱退しスコット・トラヴィスが加入。
これが最大の契機となり JUDAS PRIEST はツーバスドコドコのパワーメタルへとまた大きく舵を取ることに…。
巷では「生まれ変わった第二のデビュー作!」とか絶賛されて最高傑作に推す人も多いようですね…。
そんな中で私の印象は「あらら、そちらへ行かれるのですね~」って感じで一抹の寂しさを覚えた感がありました。
単細胞な私の脳ミソではあまりの音数の多さで情報処理が間に合わないようで、楽曲の趣を楽しむことが出来ない感じです。
批判を恐れずに言ってしまえば、私には楽曲「PAINKILLER」の良さがあまりよくわかりましぇん。
スピードと勢いだけの「とっ散らかった」イメージに聴こえちゃうんですよね…。
本作で言えば「BETWEEN THE HAMMER & THE ANVIL」以降の後半の楽曲の方がやっぱりしっくりと来る感じ。
脳ミソ凝り固まった老いぼれの戯言なのでどうかお許しを…。
収録曲
- PAINKILLER – 6:06
- HELL PATROL – 3:36
- All GUNS BLAZING – 3:57
- LEATHER REBEL – 3:34
- METAL MELTDOWN – 4:50
- NIGHT CRAWLER – 5:44
- BETWEEN THE HAMMER & THE ANVIL – 4:49
- A TOUCH OF EVIL – 5:44
- BATTLE HYMN – 0:56
- ONE SHOT AT GLORY – 6:47
Jugulator
1997年リリースの13枚目アルバム。
1992年にヴォーカルのロブ・ハルフォードが脱退。
後任にティム・”リッパー”・オーウェンズを迎えての作品。
前作でやや萎えてしまった JUDAS PRIEST 熱でしたが、一応本作まではCDを買い続けておりました。
それにしても折角のバンドロゴを不採用だったり、そもそも小学生の書いた絵(失礼…)のようなデザインが稚拙な印象で「悪い予感」しかしませんでした…。
結果は…。
私の JUDAS PRIEST CDコレクションもここで一旦途切れることとなりました。
どうしてもわざとらしく聴こえてしまうダウンチューニングによるダークな音像。
楽曲の流れとは無関係にこれ見よがしで放たれるハイトーン歌唱。
当時のシーンの潮流を取り入れた変化対応というのは頭ではわかってはいるものの、それを受け入れる感受性の度量が私にはありませんでした…。
収録曲
- Jugulator – 5:51
- Blood Stained – 5:26
- Dead Meat – 4:43
- Death Row – 5:04
- Decapitate – 4:39
- Burn in Hell – 6:42
- Brain Dead – 5:24
- Abductors – 5:49
- Bullet Train – 5:10
- Cathedral Spires – 9:17
Demolition
2001年リリースの14枚目アルバム。
ティム・”リッパー”・オーウェンズがヴォーカルを務めた2枚目の作品。
個人的に前作で痛い目をみたのでリリース直後は飛びつかずに様子見した作品でした。
ジャケットデザインも完全にあちら側(どっちだ?)のバンドになってしまったようで…。
基本的に前作からの路線を踏襲しながら更にモダン&ヘヴィネス感が増した感じでしょうか。
この手の音楽はわざわざ鋼鉄神がやらなくとも、数ある当時の今どきバンドに任せておけば良いのにと思ってしまったいけない私です。
一方、ティム・”リッパー”・オーウェンズのヴォーカルについては流石に2枚目アルバムで進歩がみられ、意味不明なハイトーン咆哮は自重気味。
じっくりと歌い上げている楽曲もあり素直に楽しめますね。
同じく前作がデビュー作となったスコット・トラヴィスのドラムスも今作ではやけに奥に引っ込んでしまった印象。
その分ギターのヘヴィネス度合いも強調される格好となり、各楽曲の完成度としては明らかに向上しているように感じます。
収録曲
- Machine Man – 5:35
- One on One – 6:44
- Hell Is Home – 6:18
- Jekyll and Hyde – 3:19
- Close to You – 4:28
- Devil Digger – 4:45
- Bloodsuckers – 6:18
- In Between – 5:41
- Feed on Me – 5:28
- Subterfuge – 5:12
- Lost and Found – 4:57
- Cyberface – 6:45
- Metal Messiah – 5:14
Angel of Retribution
2005年リリースの15枚目アルバム。
1993年に脱退したロブ・ハルフォードがヴォーカルに復帰。
ジャケットのバンドロゴもめでたく復活しましたね。
個人的に鋼鉄神に期待する王道ヘヴィメタルが戻って参りました~。
JUDAS PRIEST の歴史上で一体何回目になるでしょうかね、この復活劇は。
結局のところ谷があるから山がある訳で、この繰り返しを経験しながら結果としてバンドとしての成長、成功を掴み取っているのでしょうね。
オープニング楽曲「JUDAS RISING」で放たれるロブ・ハルフォードの第一声が全てを物語っている感じです。
圧倒的な自信に満ち溢れた貫録の歌唱…。
冷静に考えれば鋼鉄神もみんな「定年間近のおじさん」です。
いくら流行っているとか、シーンの潮流とか言っても、そればかりをあまり追い続けてると単なる「若作りの痛いおじさん」になりかねません。
やはり人間、年相応の落ち着き、内面から滲み出す渋みも必要かと。
個人的には「RAM IT DOWN」以来となる JUDAS PRIEST の納得のいく名盤です。
収録曲
- JUDAS RISING – 4:13
- DEAL WITH THE DEVIL – 3:54
- REVOLUTION – 4:42
- WORTH FIGHTING FOR – 4:18
- DEMONIZER – 4:37
- WHEELS OF FIRE – 3:46
- ANGEL – 4:24
- HELLRIDER – 6:23
- EULOGY – 2:52
- LOCHNESS – 13:29
Nostradamus
2008年リリースの16枚目アルバム。
JUDAS PRIEST 結成39年目にして初の2枚組コンセプトアルバム。
その題材は占星術師として有名な「ノストラダムスの生涯」ですね。
著書「大予言」は今もなお世界中で様々な解釈がなされて、現在進行形で予言が続いている(ことになっている)ようです。
まぁ、この辺りは「信じるか信じないかはあなた次第」ということですが…。
さて、コンセプトアルバムと言えば個人的には「当たりはずれ」のギャップが大きくて購入するのにちょっと躊躇しちゃいます。
しかしながら JUDAS PRIEST の本作はそんな杞憂は一切無用。
むしろ2枚組で多くの楽曲が収録された超お買い得盤としてシンプルに喜んじゃって全然OKかと思います。
もちろん、既述の通りの「好みの嗜好が合う人」限定ではありますが…。
人によって好みは違うし、ヘヴィメタル、JUDAS PRIEST に求めるもの、評価の物差しも違うので仕方のないところです。
個人的な物差しで言いますと、JUDAS PRIEST ってこの手の作風への適応性、親和性を兼ね備えていると思うし、大御所のベテランだからこそできる所業なのかなと思います。
ヘヴィメタル・オペラと称される音楽性は、オーケストラやシンセサイザーが潤沢に取り入れられ曲間が埋められた組曲仕様。
ドン・エイリーによるキーボードも荘厳んで神秘的なムードの演出に一役買っていますね。
収録曲
ACT 1
- Dawn Of Creation – 2:31
- PROPHECY – 5:26
- Awakening – 0:52
- REVELATIONS – 7:05
- The Four Horsemen – 1:35
- WAR – 5:04
- Sands Of Time – 2:26
- PESTILENCE AND PLAGUE – 5:08
- DEATH – 7:33
- Peace – 2:21
- CONQUEST – 4:42
- LOST LOVE – 4:28
- PERSECUTION – 6:34
ACT 2
- Solitude – 1:22
- EXILED – 6:32
- ALONE – 7:50
- Shadows In The Flame – 1:10
- VISIONS – 5:24
- Hope – 2:09
- NEW BEGINNINGS – 4:46
- Calm Before The Storm – 2:05
- NOSTRADAMUS – 6:43
- FUTURE OF MANKIND – 8:29
Redeemer of Souls(贖罪の化身)
2014年リリースの17枚目アルバム。
2011年にK.K.ダウニングが突如バンドを脱退し、後任としてリッチー・フォークナーが加入。
前作コンセプトアルバムを挟んで、再び充填されたヘヴィメタル燃料を噴き出すかのように王道路線の楽曲が収められた本作。
力任せのスピードチューンは影を潜め、年相応のリフを基軸としたミドルテンポの楽曲が淡々と続きます。
既にシーンの共通認識として神格化されてしまった JUDAS PRIEST。
掃いて捨てる程にリリースされる普通のヘヴィメタルバンドの新作と同じ土俵で戦うこと自体が許されないのが辛いですね…。
5曲入りの追加CDとセットで全18曲という大盤振る舞いの収録曲数には感謝しかありませんが、突出したキラーチューンは見当たらず。
新加入のリッチー・フォークナーが楽曲作りにどの程度関与したのかは不明ですが…。
平均点程度の楽曲では合格ラインをクリアできないのが偏差値70バンドのギターを担う者の宿命とでも言いましょうか。
時折聴かせるテクニカルなソロには「おっ!」とはなるものの、心震わせるような鬼リピ楽曲が欲しかったというのが正直なところです。
無論、新人リッチーのみに重責を押し付けるつもりも無いのですが…。
メタルゴッドの歌唱も明らかな省エネ唱法とならざるを得ない現実の厳しさを、何とか打破する起爆剤となって欲しいです。
収録曲
ディスク1
- Dragonaut – 4:26
- Redeemer of Souls – 3:58
- Halls of Valhalla – 6:04
- Sword of Damocles – 4:54
- March of the Damned – 3:55
- Down in Flames – 3:56
- Hell & Back – 4:46
- Cold Blooded – 5:25
- Metalizer – 4:37
- Crossfire – 3:51
- Secrets of the Dead – 5:41
- Battle Cry – 5:18
- Beginning of the End – 5:07
ディスク2
- Snakebite – 3:14
- Tears of Blood – 4:19
- Creatures – 3:18
- Bring It On – 3:18
- Never Forget – 6:25
Firepower
2018年リリースの18枚目アルバム。
前作と明らかに異なるメタルゴッドのハイテンションなヴォーカル。
楽曲の基軸を成すリフも前作に比べれば創意工夫の跡が見て取れてますね。
個人的な勝手な解釈では、本作のジャケットデザインは「復讐の叫び」で描かれていたヘリオンが再び地球に舞い戻ってきた描写。
大気圏に突入時の温度上昇で機体が燃え尽きそうになる極限状態を、一か八かで強行突破飛行している姿のように思います。
そう、本作で聴くことのできるのはかつての脂の乗り切っていた頃の JUDAS PRIEST ならではのヘヴィメタル楽曲が現代風の音像で再現されたもの。
「RAM IT DOWN」までの作品を JUDAS PRIEST の音楽性として愛してきた者としては諸手を挙げての歓迎作品なのですが…。
この手の楽曲で本当にこの音像は必要だったのかは大いに疑問の残るところ。
かつて1982年に「復讐の叫び」を初めて耳にした時にはあまりの歪み具合に衝撃を喰らいました。
あれから40年以上の時が経過し、再び同じバンドが原点回帰ともとれる楽曲を表現しようとする本作。
個人的にはあまりにもありふれた感満載の殺伐としたヘヴィネス感、ギスギスとした無機質な音像に聴こえてしまい残念です。
シーンの潮流、時代の変化、制作サイドの大人の事情等々には逆らえないのでしょうが、ここは敢えて「昭和レトロ」風に思い切り振り切って欲しかった…。
「今」にない音像こそが革新的であり(何をやってもある意味許される)神格化されたバンドの特権であり使命のような気がします。
収録曲
- Firepower – 3:27
- Lightning Strike – 3:29
- Evil Never Dies – 4:23
- Never the Heroes – 4:23
- Necromancer – 3:33
- Children of the Sun – 4:00
- Guardians – 1:06
- Rising from Ruins – 5:23
- Flame Thrower – 4:34
- Spectre – 4:24
- Traitors Gate – 5:43
- No Surrender – 2:54
- Lone Wolf – 5:09
- Sea of Red – 5:51
Invincible Shield
2024年リリースの19枚目アルバム。
前作同様にジャケットデザインからして気合の入り度合いが一目瞭然。
オープニングの「Panic Attack」で早くも勝負ありの一本勝ち。
続く楽曲の多くも文句無しの JUDAS節が揃い踏み状態。
3作目にしてようやく吹っ切れた感のあるリッチー・フォークナーのギターワークが強烈過ぎますね。
リフにソロに創造性豊かで印象的なフレーズをぶちかまし。
ここ数枚のアルバムで気になっていた歌メロのフックの無さも解消され、メタルゴッドが張り切る「見せ(聴かせ)場」のある楽曲構成となっています。
スコット・トラヴィスのドラムスも疾走感が半端なくアグレッシブで良いですね~。
走って良し、ためて良しの緩急自在のドラミングで楽曲を地固めしてくれています。
そして何よりも嬉しいのがホント久々に鬼リピ楽曲のキラーチューンが「ケチャップどばどば状態」で一杯出てきちゃった感じ。
こ、こ、これは…。
遂にあの黄金期を凌駕する作品の登場か…。
凄いアルバムが出てきてしまいました…。
収録曲
- Panic Attack – 5:25
- The Serpent and the King – 4:19
- Invincible Shield – 6:21
- Devil in Disguise – 4:46
- Gates of Hell – 4:38
- Crown of Horns – 5:45
- As God Is My Witness – 4:36
- Trial by Fire – 4:21
- Escape from Reality – 4:24
- Sons of Thunder – 2:58
- Giants in the Sky – 5:03